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日曜美術館「どこまでも新しい絵を作りたい~菱田春草~」 [art]





知れば知るほど、
春草の作品の奥深さに感動させられます。

やはり、作品にはその「人」が表れる。



宮廻先生が仰られていたように、
強さというと足していくものと捉えがちだけれど、
本当の強さは、引いていくという表現。
足して、足して重ねていく美ではなく
引いて、引いていく引き算の美しさ。

だから、春草の作品は繊細で上品に感じるけれど
作品は決して弱く感じないんだなぁ…
だから、私は春草が好きなんだ。



春草は一般的な肩書きは日本画家かもしれないけれど、
真の芸術家ですよね。
常に新たなものに挑戦することこそ芸術家だと思うから。


基礎が何も出来ていない人が
ただ闇雲にエキセントリックなことをして
これがアートだ!とか、
そんな薄っぺらいものではない。
しっかりした基礎があった上で、
血の滲むような努力を地道に重ねながら
常に新しい世界を探求していく、
挑戦していく。
歌舞伎の世界にも通ずるものかもしれませんし、
てっぺいちゃんにも、そんなところを感じます。


当時、春草の新たな挑戦、作品を批判した
保守的な人たちは、見る目がなかったんですね。
そんな中、天心は東京美術学校時代から
春草の才能を見出だし、
世間から春草の表現が批判されていたときも
天心は絶賛していました。

きっと天心は、春草の才能だけでなく
人柄、心も含め、
きちんと見つめていたのではないでしょうか。

こういう人が、芸術家を育てていくんだろうな…と
つくづく思います。


15年という短い画業の中で、
世間が何を言おうと、
自分の追い求めるものに真っ直ぐに向かい、
引いて引いて、本当に大切なものだけを
残していく表現。

清らかな美しい生き方だなぁ…

素晴らしい。




◆ 日曜美術館

http://www.nhk.or.jp/nichibi/



◆ 菱田春草展

http://shunso2014.jp/







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