SSブログ

広河さんトークイベント「チェルノブイリと福島-救援を考える」 [news]

 

新宿コニカミノルタプラザで
5/17(金)まで開催中の
「地球の上に生きる2013」、
トークイベントに行ってきました。

写真展は、やはり誌面で見るのとは
また違う気がします。
半切~全倍という大きさですし、
色の鮮明さもより鮮やかであったり、
より暗くも感じたり。

今日の林典子さんとのトークイベントも
行きたかったですが、
キルギスの「誘拐結婚」、
こういうことが平然と行われていること、
この時代でも、女性の人権も尊厳も尊重されない
そんな国があること、このまま見過ごしていて
いいのでしょうか。

貧困も無くなることなく、人口は増え続けていきます。

全く無関係な話ではないんだけどな・・・。
大きく繋がっていることで。

そして、報道されない真実を伝えようとしている
ジャーナリストの方々が世界にいるからこそ、
私たちは何とか知ることができていますが、
彼らが負っているリスクに対し、
彼らへの評価が十分ではないと感じる事もあります。

DAYSがこのような賞を設け、
フォトジャーナリストの方たちが
写真を発表できる場をつくること、
彼ら、彼らの活動に光を当てることは
本当に意義深いことだと思います。

写真展入口にある、広河さんの挨拶の最後の一文が
とても印象に残っています。

「いつかこの写真展が、地球の豊かな自然と
未来の子どもたちの笑顔で溢れる時が来ることを願って、
「地球の上に生きる2013」をお送りします。」

 

そして、14時~
トークイベントが行われ、
Ustでも生配信していました。
こちらで今も見られますので、ご覧下さい)

IAEA、IAEAと繋がっているWHO、
そしてICRP、結局、こういう原子力産業を
推進する目的の機関、そこにいる専門家とか
権威者なんて呼ばれる人間たちにとっては
人の命とか、ましてや救援なんて
考えていないということ。

100ミリシーベルトまで人体に影響がないと
彼らが言い、世界の権威者がこう言っているのだから
大丈夫だと国も信じ込み、その数値に何の根拠もないのに、
マスメディアも本当に大丈夫なのかどうか、
自ら検証しようともせず、
放射線医学の専門家や権威者たちの言葉を
鵜呑みにしているというのが現状のようです。

100ミリシーベルトという数字は、
広島原爆の時、爆心地から2Km 以内での被曝が
だいたい100ミリシーベルトとされ、
2Km圏外については調査をせずに、
データが無い=被害が無いという言葉のすり替えに
私たちは騙され、
そこが基準となっての100ミリシーベルトだそうです。

ICRPには、当初、内部被曝と外部被曝、
2つの学会があったそうですが、
内部被曝の学会はつぶされてしまい、
外部被曝の学会しかないとか。

また、彼らが放射能が原因の病気として
認めているのは、1つは急性放射線障害と
もう一つは、最初は認めず、
あとから認めざるを得なくなって
仕方なく認めた甲状腺がんだけで、
被曝によって様々な病気を発症しても、
その他の病気に関しては
放射能との因果関係を認めていません。

だからこそ、避難している人たちの
追跡調査と健康管理が必要だとのこと。

トーク中、広河さんのお写真をスライドで
拝見しながらのお話もありましたが、
チェルノブイリ原発事故でお母さんを亡くし、
お父さんはアルコール中毒という3人姉弟、
ペチカの火で火事になり、お家が全焼。
広河さんが出会ったとき、
長女には全く笑顔が無かったのですが、
フランスで保養をして戻ると、
笑顔が見られるようになります。
彼女はその後、結婚し、子どもも持ちます。
こちらのお写真や、このお話は
先日のアップリンクでのイベントでも
お聞きしましたし、その他のイベントでも
よく見せて頂くお写真です。

広河さんは、
「子どもたちに手を差し伸べるか、差し伸べないかで
彼らの人生が大きく変わる」
というようなお話を
されていて、
笑顔のなかった少女が、周りの支援、救援で成長し、
母となり自分の子どもと一緒に写真の中におさまっている、
このお写真を通して、
救援の必要性、重要さを広河さんは訴えたいのではないかと
いつも感じます。

甲状腺がんは、早期発見で助かる病気だから
なおさらなのでしょう。
手を差し伸べず、手遅れになってしまってからでは
遅く、また助からなかった子どもたちを何人も
広河さんはご覧になってきているから、
何とかしなくてはという強い想いがあるのだと
思っています。

 

それから、トークイベントの前までは
同じ場所で、球美の里の映像と
第9回国際フォトジャーナリズム大賞の
最終選考の映像が映し出されていました。

球美の里で過ごしている子どもたちの姿、
それは、本来、福島でも当たり前に見られる
姿であったはず。

自然豊かな場所で生まれ育った彼らが
外にいられるのは何時間だけ、
海には入れない、ここで遊んではいけない、
そんな制限を受け、生活をしなくてはいけないのは、
まるで人間らしく生きる権利を奪われているようで
私はやっぱり悔しい。

球美の里のHPや、こういった映像で
彼らの笑顔を見たり元気な声を聞いたりすると
ちょっとだけホッとする気持ちもありますが、
本当に切ないです。

球美の里は、当初、海の近くを
探していたそうですが
津波のことがトラウマになっている子どももいるので
山の方の場所にしたそうです。

球美の里の運営には、
月400万円ほどの運営費が必要で
それは、今のところ、
全て募金で賄わなくてはなりません。
保養を必要とする子どもたちはたくさんいて、
しかも、たった一度の保養でいいというわけでも
ありません。

先日、根本復興相がチェルノブイリ原発を視察したそうで、
チェルノブイリ原発事故の教訓を活かしたいと
仰っていたようですが、
本当にそう思うなら、広河さんたちのお話を聴くべきで、
ベラルーシのように国も保養に協力すべきです。

広河さんたちも、政府に言いたいことはあるようですが、
そうしている間にも、子どもたちの体は成長と共に
変化していくので、政府のために割く時間より
子どもたちの救援を優先しているようでした。

残り5分くらいになったところで、
本題は終了、くだけたお話になりました。
そこで聞かされた驚愕の内容、
広河さん、72歳で、あと約2年で
引退するというのです。

なので、今後、DAYSの編集長の後任を決めたり
いろいろと考えていらっしゃるようで・・・。

確かに広河さんの御年で、時に体調を崩されながら
これだけハードな日々を過ごしている方は
ジャーナリストの中でも
そうそういらっしゃらないでしょう。

現在を突っ走りながら、
先々のこともきちんと考えている。

本当は、生涯現役を望んでしまいますが、
それは酷な話ですね、きっと。

ご自身の年齢を考えないと言い、
お孫さんにも「おじいちゃん」などと呼ばせない、
「お母さんのお父さん」って呼ばせていると、
おちゃめな一面も見せてくださり
会場を和やかな空気にされた最後の5分は、
広河さんの素敵なお人柄が垣間見られた5分で
楽しかったです。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 0

大人カフェ・・・ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。