広島テレビ制作ドキュメンタリー「被爆米兵」 [etc.]
こういう番組こそ、多くの人が見るべきだと思いました。
だいたいこのようなドキュメンタリー番組は、
深夜の、ほとんどの人が寝ているような時間に放送されていることが多いので、午前10時半という時間帯に放送されていることに少し驚きました。
かつて、日本の敵であったアメリカと
今は同盟国ですが、今に至るまでの歴史を
何となくは知っていても、
きっと戦争を経験していない人は
知らないことの方が多いでしょうし、
日本人もアメリカ人も、原爆投下のこと、戦争の真実、真の歴史については知らされてないことが多いように思います。
どの国も、時に国民に嘘をついたり、真実を隠蔽するということは幾らでもあります。
たった一度しかない一人の人間の貴重な人生が、
時代と、その時の国策によって翻弄されてしまうことがあります。
これから先の未来も、そういう事が
絶対に起こらないと、言えるでしょうか?
私は絶対に起こらないとは言えないと思っています。
戦争とは、望まなくともいつの間にか
国民が気付いた時には、その渦の中に
いるようなものだと思うからです。
この番組では、「灯籠流し」というドキュメンタリー映画を制作したアメリカ人の
バリー・フレシェットさんという方を追うものでした。
いろいろなことを知れば知るほど
いろんな立場でのそれぞれの思いがあり、何がいいとか悪いだなんて簡単に言えるものではないけれど、
特に国の為にと、当時、戦場の中にいた方達、そのご家族は、どんな立場であれ、みんな苦しんだことは間違いないと思います。
捕虜となって被爆し、広島で亡くなった米兵について、遺族に対し、真実を一切知らせてこなかったアメリカ政府。
バリーさんが入手した一枚の写真には
焼け野原となった場所に、亡くなった米兵2人の墓標。
敵である米兵が埋葬され、お花も供えられていました。
一人は、米軍のパイロット。
日本軍の艦船に撃墜されて捕虜となり、
その後、原爆によって亡くなった
当時23歳の米兵。
その米兵の甥は、伯父が亡くなった真実をアメリカ政府から一切知らされず、
バリーさんがその甥の方を訪れて、その写真を見せると、
その方は、初めてその写真を目にし、
敵であるにも関わらず、伯父を丁重に扱ってくれた当時の日本人、広島の人に
感謝の思いを述べていました。
そして、甥の方が広島を訪れて、
撃墜した側の日本人の方とも会います。
真逆の立場にある二人です。
憎しみの気持ちがあってもおかしくはないのに、
二人はお互いの悲しみや苦しみ、個人としての憎しみなどないことを共有していて
二人には温かい空気が流れていました。
アメリカでは今でも、原爆投下を正しかったとする意見や考えが多いです。
広島や長崎での惨状、事実を知らない、知ろうとしない人が多いのも現実で、
日本人もまた、広島、長崎以外の地域では
語り継いでいこうという土壌も、教育もあまりきちんとは、されていないような気がします。
「灯籠流し」、私も見たいし、学校でもテレビでも多くの人が見られるようにしてほしい。
そして、この番組を見た広島県の方が、
Twitterで、このようにつぶやいていました。
https://mobile.twitter.com/plumeria0218/status/820097021897908224
広島で行われてきた平和学習の素晴らしさと、
教育そのものの大切さを
あらためて感じました。
参考記事
http://amview.japan.usembassy.gov/paper-lanterns/
2017-01-14 11:23
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