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映画『壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び』 [cinema]

 

 

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どうしても観たかった映画でしたが、
観に行けないまま一旦、上映は終わってしまって
アンコール上映で再上映してくださり、
映画は3/29(金)まで上映していますが、
私は今日しか観るチャンスがなかったので、
今日もアップリンクへ行ってきました。

パレスチナ・ビリン村に住み
農業を営むイマード一家。
四男のジブリール君の誕生を機に
イマードは、カメラを手にすることになりましたが、
その後、村のイベントなどを撮る
村のカメラマンとなり、
そのカメラは、イスラエル政府が
パレスチナ側の土地を勝手に占領し始め、
身勝手に分離壁を建設し、
それに抵抗するビリンの住民たち、
イスラエル軍の兵士たちとの闘いなどを映す
ことになり、
イマードはいつしかジャーナリストの役目を
果たしていました。

 

この映画は、やはりどうしても
見なくてはいけない映画でした。

監督でもある、イマードの言葉にもありますが
これを見たからと言って、
パレスチナ、イスラエル、どちらがいい悪いなどと
言えるものではありません。

でも、少なくともこの映像の中で、
イスラエル軍、軍の兵士たちが
武器を持たず非暴力運動によって、
自分たちの土地や暮らしを守ろうとしている市民に向けて
武器を使ったり、強制的に連行、逮捕している行為は
許されることではないはずです。

先日、イスラエルを訪問し演説をしたオバマさん。
オバマさんに、平和を語る資格があるのかな・・・
イスラエル軍がやっていることは?

ビリン村の住民たちは、
何度逮捕されても、何度、被弾しても
命を落としかけても、仲間や兄弟を失っても
武器を持たずに抵抗運動を続けました。
大切なオリーブの木を燃やされても
また、オリーブの苗を植えるのです。

時に、どんなに訴えてもイスラエルが
どんどん土地を占領し、入植してくることに
諦めかける人もいましたが、
たくましくて心が強く、優しいフィール(象)という
ニックネームで呼ばれていた男性は、
どんな困難な時もいつも前向きで、
希望の象徴のような彼は子どもたちの人気者でした。

その彼がイスラエル軍の兵士によるガス弾を胸に受け
即死してしまう瞬間も
イマードのカメラは捉えていました。

11歳、17歳の少年も犠牲になりました。
それでも諦めず、武器を持たずにイスラエル軍に
立ち向かう彼らと、武器、暴力でしか
応対できないイスラエルの兵士たち。
どちらの方が強いのか、はっきりと映し出されています。
もちろんビリンの住民たちでしょう。

彼らの芯の強さに、イスラエル軍の兵士たちは
恐れているのです。
弱い犬ほど過剰に吼えるというものです。

現実は、丸腰の人間が銃などの武器には勝てない。
でも、本当に強いのは軍なんかじゃない。
家族や大切なものを守ろうと非暴力で
自分たちの主張を訴え、立ち向かう住民たちだと
私は思いました。

イマードの四男、ジブリールが
本当に可愛いのですが、
まだ言葉を覚え始めたばかりのジブリールの口から
壁、ゴム弾などという言葉を聞くのは、
何とも言えない気持ちです。

カメラは、ジブリールたち、子どもたちが
何を見て成長しているのか、
子どもたちの視点でも撮られています。

子どもたちが大好きなフィールが殺された時は、
その時、4歳になっていたジブリールが
イスラエルの兵士を殺したいと言うようになります。
「どうしてフィールが撃たれるの?
何もしていないのに。」
ジブリールには理解できません。

ただ、子どもたちは誰に教わるでもなく、
自分の目で、目の前の現実を見て育っています。

イマードは、
カメラが被弾しては修理をしながら使ったり、
新たなカメラを手にし、
イマード自身も生死を彷徨う経験をしながら、
奥さんの反対を押し切っても撮影を続け、
今も、撮影を続けている(2011年)という言葉で
終わりました。

この映画が、世界中で上映され、
多くの人の目に触れることを願います。

 

◆ 壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び


 


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