普通の暮らしが一番

 

都市部に住んでいると
あまり感じられないかもしれませんが
生まれ育った場所、何十年も住み慣れた土地、
居心地のいい場所から離れるということは、
誰だって嫌なんです。
普通に暮らすこと、それが一番なのです。

 

私も自分の経験で、水戸に住んでいた頃、
3年しか住んでいませんでしたし、
いいことだけではなかったけれど
それでもすごく居心地のいい好きな場所で、
この3年は、これまでを振り返ってみても、
一番いろんな経験をした3年だったし、
とても濃く充実した3年でした。

水戸から、生まれ育った横浜へ戻ってはきましたが、
そこは、水戸とはあまりにもギャップがあって、
土地的にもそうだったけれど、何より「人」が全然違いました。
転校初日に自己紹介した時のあの冷たい視線と空気は
今でも忘れない。本気で家出しようと思いました。
水戸に帰りたいと毎日のように泣いていました。

 

島外避難されたり、島に残ったり、
大島の方の選択は様々です。
いつもここで言い続けていますが、
どなたの、どんな選択も尊重されることを願います。

 

お話を伺っていると、
残る方の中には、三原山噴火の時の全島避難で
避難先では眠れず、体調を崩した経験があり、
島外避難しても、避難先で体調を崩して
これ以上奥さんや他の人に迷惑をかけたくないから残ると
仰る方がいたり、
島外避難を希望された方は、いざ避難しなくてはならない時に
足手まといになるといけないから島外に避難を決めたという
方もいらっしゃって、どちらのお気持ちもわかります。

亡くなった祖母もそうでしたが、
とにかく人に迷惑をかけたくないというお気持ちが
特にご高齢の方には強い方が多いのかもしれません。

避難をお手伝いすることを面倒だなんて
思うわけないんですけど、
親子であっても、子どもの世話になりたくないという
人もいますからね。他人にお世話になるなんて
余計に申し訳ないという気持ちなのでしょう。
気も遣うでしょうしね。

これ以上、大島に被害が出ないこと、
もちろん二次災害が起きないことも強く願っています。
そして、住民の方が普段の生活を早く取り戻せますように・・・