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夢を語り続ける [etc.]


68人の方が亡くなられた新潟県中越地震から、
今日で10年。
先日、ニュースで、中越地震で被災した
ある地域の特集を見ました。


震源地の旧川口町を始め、
周囲の旧山古志村、小千谷市、旧小国町は
震災以前も過疎化の問題を抱えていた地域ですが、
震災でさらに人口減少が進んでしまいました。

そんな中、わずか36世帯の小千谷市若杤集落に
若者が定期的に訪れるようになったそうです。
それは何故か。



若杤集落は、10年前の地震のとき
ほとんどの農地が作付け不能になりました。
聞こえてくるのは絶望の声ばかり。
農家をやめようかという声もあったそう。

そんな声を聞き、何とかしなくてはと思った
当時の農家組合長さんですが、
人不足な上に高齢者ばかり。
出来ることと言えば、
将来への夢を語り続けることしかなかったそうです。

「地震でズタズタになったんですけど、
大いに夢を語って、実現に向かって暮らしていこうと。」

集落を存続させようと周囲の人に語り続けたのです。

しだいに、農地の修復に協力してくれる人が増え、
半年で4割の田んぼで田植えができるまで
復旧したそう。

集落の復興をさらに進めるため、
新たに「わかとち未来会議」という団体を立ち上げ、
団体の活動に最も大切な理念として
「夢を語ること」を掲げました。


ボランティアで来ていた大学生たちにも
一緒に夢を語って欲しいと呼び掛けました。


未来会議では、集落の70代、80代の人も
自分の夢を語り、
用意した模造紙は、
あっという間に夢で埋め尽くされたのです。

当時、東京の大学生で現在32歳のある男性は、

「夢を持つこと自体が否定されがちな世の中で、
大人があんなに堂々と自分の夢を
恥ずかしげもなくというか
ちゃんと人前で語れるというのは
すごいなと思って。」

その時の様子に衝撃を受けたと言います。

そのうち、ボランティアの若者も
夢を語るようになりました。

集落の人と学生が語った夢の一つに、
「宿を作ってお客さんをもてなしたい」という夢があり、
4年かけて、空き家になっていた古民家を修復し、
その夢を実現させたのです。

また、「かつての街道を復活させたい」という夢も
学生さんたちが木の伐採や草刈りを行い、
隣の集落と繋がる遊歩道を作り、
実現させました。

「地域の歴史に根ざした祭りを開きたい」という夢は、
学生さんたちの呼び掛けで
500人の人が集まる祭りになりました。

夢を語ることが地域の活性化に繋がっていったのです。


未来会議のリーダーである組合長さんの息子さんは、
テレビなどで見る都市の生活が
若杤にはないことにつまらなさを感じ、
高校卒業後、東京のホテルに就職。
震災があって、故郷に戻り
片付けの手伝いなどをしていたものの
そのまま故郷に戻るつもりはなかったそう。
でも、震災から3年経った頃、
学生さんたちが熱心に若杤集落の魅力を語るのを聞き、
考えが変わったのだそうです。

「(学生たちが)若杤って、すごくいいところだと
言ってくれたんですよね。
自分にとっては当たり前だった環境を
見る人が見れば、すごく大事なものだと思ってくれる
ということをその時に初めて実感できた」

と仰っていました。

そして、3年前、地元に戻ることにし、
現在、同世代の人と一緒に若杤の魅力を
インターネットラジオを使って発信したり、
お父さんと一緒に若杤のPR活動を
行っていらっしゃるようです。


若杤集落の次の夢は、
若者が働いて暮らせる集落を作ることだそう。


若杤集落の、未来を想い、夢を語り続けて
実現に向けて動いていく活動に、
東北からの視察も多いとのこと。


ニュースでこの特集を見たとき、
てっぺいちゃんも、以前、コンサートで
大人が子どもに夢を語り伝えることの大切さを
お話しされていたのをすぐに思い出しました。



安倍政権が地方創生を掲げていますが、
もちろん、地域によって抱える問題は様々で、
一概に言い切れませんが、
国に何でもかんでも頼らなくても、
地域で出来ることというのも
あるんじゃないかなぁと思いました。




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