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緊急シンポジウム 原発報道を考える ~メディアは真実を伝えているのか [news]

 

昨日、文京シビックホールにて行なわれた
シンポジウムへ参加してきました。

こちらは頂いた進行表と、
現在、立ち入りが禁止されている
「警戒区域」内での取材や、原発作業員への取材などを
継続的、定期的に行なえるよう、
要請書を政府や東電に提出するにあたっての
共同アピールです。
折れてしまって読みづらいと思います。
申し訳ありません。
クリックしていただくと、少し拡大されます。


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出席された方の持ち時間が、
お一人につき10~15分ということで
皆さん、駆け足で話していらっしゃいました。

まず、最初に元東芝・原子炉格納容器設計者
後藤政志さん
のお話。

水素爆発で済んで良かった、とのこと。
これが水蒸気爆発していたら、
関東圏には住んでいられない事態になっていただろうとのことです。

今、現在、溶融物がどこにあるのかは誰も把握できていない。
わからないまま冷やしている状態だろう
ということです。


 

次はフリージャーナリストの綿井健陽さん
自ら撮影された警戒区域20km圏内の映像を
見ながら説明してくださいました。
自衛隊の車両の往来(行方不明者の方々の捜索や
瓦礫の処理など)、ペットと思われる犬や猫たち、
原発作業員の方たちが、朝8時頃から
いわき市などからマイクロバスで向かう様子など。

4/21までは取材がしやすかったそう。
4/22以降は、「誰々の許可を得ています」という
許可がないといけないような状態になってしまったそうです。

立入禁止だから、報道も禁止するというのは違う
仰っていましたが、私もそう思います。

現在、福島第一原発敷地内での撮影、取材などもできず、
テレビで放送されるのは東電や自衛隊からの映像だけ。
原発作業員の方の取材も匿名で、顔も出さない。
作業にあたっている方たちも東電の下請け、孫請けどころか
何重もの構造があって複雑なのだそうです。

 

DAYS JAPAN編集長 広河隆一さんは、
チェルノブイリから何を学ぶかという視点から
写真を紹介しながらのご説明。
旧ソ連は、事故から3~4時間で、住民を避難させるために
どれだけの準備が必要か計算をし、
翌日の昼には子どもや妊婦から先に避難をさせているそう。

詳しくは聞き取れなかったのですが、
赤ちゃんに母乳を与えているお写真では、
事故から4~5年後に母乳を検査した人全員から
セシウムとストロンチウムが検出されたと説明されていました。

また、全部は書き写せなかったのですが、

 視聴者、ジャーナリストがメディアに
  毅然とした姿勢を求めること

・ 人々を安心させるという口実での隠ぺいは許されない

・ 世界の原子力産業にとって
  日本の政府を潰すことは簡単。
  しかし、健全なメディアを持つ限り、人々は潰せない
 など

端的にまとめたものも映し出されていました。

 

ビデオニュース・ドットコムの神保哲生さんは、
震災当日の動きをお話してくださいました。
被災地の様子、その第一報を伝えようと
地震の発生した14時46分から、約15分後には
車で北へ向かおうと首都高速へ向かったそうですが、
そういった迅速な行動も、災害が起きたときには
高速道路の入り口などが閉鎖されてしまい、
高速道路が使えなければ、現地へ向かうのも
時間が掛かってしまう。そのようなことを知っていらっしゃる、
ジャーナリストの方ならではの行動だと思いました。

結局、首都高の入口は閉められてしまい、
下の道で行こうとしたところ、都内は帰宅困難者で溢れ、
東京を出るだけでも5時間かかったそうです。
相馬市に着いたのが翌朝4時頃。
明るくなって震災直後に見た光景は、
今のように、瓦礫が横に避けられて
道ができているわけではないので
瓦礫(とは言いたくないけれどと仰っていました)で、
真っ平らの様子だったそうです。

被害の様子を伝えたくてもネットが繋がらず、
埼玉まで戻らないと、ネット環境が整わなかったそうです。

このお話からもわかるように、
被害の様子などを伝える第一報が
私たち視聴者に伝わるまでには、急いでいても
これだけの時間がかかるということです。

また、神保さんがテレビ番組などに提供した映像が
放送された後に、アナウンサーの方が
必ずと言っていいほど、
「ただちに人体に影響はありません。」と言うのが
不思議だとも話していました。

国は希望的観測の幅の中でも、より良いことしか言わない。
神保さんたちは最悪のシナリオを考えた上で話すので、
良いことしか言わない政府は信じられず、
神保さんたちのお話が信じられると言われるという
状況が起きているそう。

ニュースなどで、「格納容器に水がある」と
断定した言い方はどこもしていないはずだけれど、
(誰も確認できていないから)
実際は、どのくらい水があるのかもわからないし、
もしかしたら水などないかもしれないのに、
番組で説明する際に使われる
格納容器の絵の中には水が張ってある、
そういうトリックにも視聴者は騙されないで欲しいと
仰っていて、会場からは笑いも起きてました。

 

精神科医の香山リカさんは、
真実を伝えられないことが、余計に疑心暗鬼を生んでいる。
チェルノブイリ事故のときも、
メンタルの不調、うつ病や自殺者が増えたけれど、
実害によるものか、
実際の被害は受けていない心理的ストレスによるものなのか
はっきりさせるのは難しいとのこと。

 

TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さん
メディアの中にいながら、今のメディアの在り方、
酷いと思うとのこと。
(政府や東電などから)発表されたものに頼った報道
新聞、テレビ局などどこにも内部基準があり、
(20km圏内での取材はしないなど)
あるテレビ局の報道局から出されている資料には、
政府の指示に従うことが原則とある。
それでも、ドキュメンタリーなどを制作する側は
例えば20km圏内で取材したものを放送することもあり、
それは報道局からしたら、通達したものに反すること。
このように、テレビ局内でも報道局、制作など部署によって
意識の違いがあるようです。

NHKの解説委員だった科学ジャーナリストの
小出五郎さんが、1977年にディレクレターとして
浜岡原発の内部を撮った
「あすへの記録・耐震設計」という番組が放送されたが、
この番組に関わった人間が、
一年後に配置転換されてしまったそう。


電力会社にとって都合の悪い番組や人間に対し、
スポンサーを降りる、人を降ろさせる、
CMの差し止めを要求するなど、
新聞、テレビ、ラジオなど既存メディア、
ジャーナリストなどに対する圧力は
今に始まったことではなく、長い歴史があるということが
わかります。

最後に、ジャーナリスト・テレビ朝日のコメンテーター、
川村晃司さん
も、小出五郎さんの「あすへの記録・耐震設計」
について触れていて、
小出さんは、当初、タイトルに「浜岡」の名前を入れたかった
そうですが、上司から放送を許す代わりに、
タイトルの変更を言われ、しかも誰も見ないような時間帯に
放送されたと仰っていました。

プール取材(合同取材)はあってはならない、
一人一人がメディアであるという意識を持つことが大切

また、組織メディアとして一律的に見ないで欲しいとのこと。

それはメディアに限らず、どの分野でもそうですね。
相対的に見て、良い悪いと言うことはあっても、
その中身を細かく見れば、全てが悪でもないし、
全てが善でもないこと、それは
視聴者もある程度分かった上で見ていると思うのですが・・・。

私も既存メディアへの批判的な意見を綴ったりしますが、
全てを批判しているわけではありません。
でも、金平さんも仰っているように
私も大概の既存メディアは、「発表」に頼った報道が
ほとんどである現状は間違ってないと思います。


この後、休憩があり、休憩後には
質疑応答の時間もあったのですが、
私は残念ながら時間の関係で、
休憩時間の時に退席しました。

原発事故問題に関して、
とにかく、パニックを恐れて事実を公表しないとか、
事実を隠ぺいするというのは、
余計に被害を拡大させるだけで、
真実を知らなければ、
それに対する正しい対策もとれないのですから、
わからないものは、わからないと正直に、
わかった時点で、迅速に公表する。
これが今、国や東電などに求められることです。
希望的観測で、住民の方や国民を安心させる言葉など
言っている場合ではないと思います。 

 

今も毎日、放射性物質は放出され続けています。
先日、母乳から放射性物質が検出されたニュースもありましたが、
検査に協力してくださったお母さんたちには、
本当に感謝しますし、頭が下がります。
自ら進んで検査を受けられた方もいらっしゃるかもしれませんが、
検査を受けるということは、もしかしたら厳しい現実を
突きつけられるかもしれないということでもあり、
しかも、検査結果は個人が特定されない形であるにせよ、
公表されるわけですから、
簡単には検査協力を決断できなかった方もいらっしゃったと
思います。

でも、協力してくださった方々のおかげで、
東京近郊に住む私たちも子どもたちも、
微量であったとしても放射性物質をすでに体内に
取り込んでしまっていることが、
科学的に証明されたわけですから、悲しいことではありますが、
私たちはその事実を受けとめた上で、今後、どうしていくのか、
それでも原発に頼って生きていくのかどうかを
考えなければならないと思います。

 

先ほどまで国会中継が行なわれていましたが、
のんびりしてるな~という印象です。
危機感を感じているとはとても思えません。

国民が希望を持てるような復興政策も大切ですが、
それよりも今すぐに
もっとスピーディーにやらなければならないことが
まだまだあるはずなんですけどね。

 

原発報道に関する過去の資料を見つけましたので
こちらも合わせてご覧いただくと良いかと思います。

 

 


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